4月25日公開の実写版ディズニー映画「シンデレラ」は字幕と吹き替えの両方で見ることができますが、実際この映画を最大限楽しむにはどちらの方が適しているのでしょうか。
これまでも映画は吹き替えで見るべきか、あるいは字幕で見るべきかといった議論はありました。日本では映画館では字幕映画のほうが圧倒的に多いのに対し、欧州諸国などではほとんどの映画館が吹き替えだったりして、どちらを選ぶかはその国の映画文化とも関係ありそうです。
つい先日、「しらべえ」が20代から60代の男女1500人に行った調査によると、現在は吹き替え派が54、1%、字幕派が45、9%と吹き替え派が字幕派を上回っていることが分かっています。特に20代の男女に吹き替え派が多いらしく、62、3%がこれに当たるといいます。
ただ、娯楽映画は吹き替え、シリアスな映画は字幕がいいといった人もいるはずなので、映画のジャンルによってもこの数字は変わってくるはずです。ちなみに英語ではアニメや映画は字幕でしか鑑賞しないという人のことを「purist ピューリスト(純粋思考の人、純粋主義者)」と言ったりします。
ピューリストたちは作品を一つのアートと考えていることから、オリジナルに手を加える(吹き替えを付ける)ということに強い拒否反応を示します。そんな人たちは「シンデレラ」ももちろん字幕で見るでしょう。その理由は以下の通りです。
1、映画は作者による一つの芸術作品だから
2、芸術作品は第三者が手を加えるべきではない
3、吹き替えにすることで編集、変更が施されオリジナリティーを失うから
これらの条件を見ても分かりますが、 コアなファンになればなるほどこだわりが強いために字幕派に偏る傾向がありそうです。日本で吹き替え派が増えているというのはコアな映画ファンが減っているということかもしれません。
では結局実写版「シンデレラ」はどっちで見るべきなのか。それはおおよそ次の条件で分類できそうです。
実写版「シンデレラ」を吹き替えで見るのがおすすめの場合
1、3Dで見たい場合
3D映画というのは、3Dメガネを使い、映像も飛び出して見えるため、字幕がとにかく読みずらい、という欠点があります。読みずらい字幕に目をやりながら、登場人物も追いかけるというのは実際かなり疲れます。人によっては頭痛や吐き気を及ぼす人もいるとか。
2、子連れの場合
「シンデレラ」にはそれほど難しい単語は出てきませんが、それでも字幕は漢字だらけになるのは避けられません。子供からすると、「舞踏会」、「王妃」などといった言葉を字幕で追いかけるのは大変かもしれません。自分より子供に思い切り楽しんでもらいたいなら吹き替えのほうが妥当です。
3、吹き替えのキャストに好きな声優がいる場合
日本語吹き替え版ではシンデレラ(エラ)を 高畑充希、キット王子を城田優、大公を広瀬彰勇が担当しています。高畑充希のシンデレラ役がどれだけはまるのか見てみたい。城田優の声にうっとりしたい、という人は吹き替えがいいでしょう。
実写版「シンデレラ」を字幕で見るのがおすすめの場合
1、英語学習者
ディズニー映画で英語を覚えたい、素敵なフレーズに出会いという人は絶対に字幕で見るべきです。「シンデレラ」では主要キャストはイギリス人で固められており、綺麗な英国英語が使われているのが特徴です。上品な英語の会話を覚えるのにはもってこいです。
2、活字の方が理解が深まる場合
活字を追っていくほうが頭に会話やストーリーが残りやすいという人には字幕がおすすめです。普段から本を読む習慣がある人は字幕のスピードに付いていくのもさほど問題はないはずです。
3、ピューリストの人
私もピューリストだ、という人はぜひオリジナルの字幕で鑑賞して、作者の意図や作品そのものの演出を楽しみましょう。吹き替えだと雰囲気が壊れる、西洋のシーンに日本語がが合わないといった抵抗があるなら、ぜひ字幕で鑑賞しましょう。