「トイ・ストーリー3」は託児施設に寄付されることになった、カウボーイ人形ウッディを始めとするおもちゃたちによる脱出劇を描いた物語です。
トイ・ストーリー3の名場面
笑いの要素がたくさんあるうえ、途中、バズ・ライトイヤーがスペイン語を話しだしたりしてキャラが豹変したりするなど面白いシーンが多く、子供から大人まで楽しめる内容になっている。テーマはなんといってもわかりやすい友情。会話も友情愛に溢れたものが目立ちます。
託児施設に連れて来られたおもちゃたちは子供たちがたくさんいることや、新しいおもちゃに出会えたことで舞い上がります。しかしカウボーイ人形のウッディだけは自分の主人であるアンディのことが忘れられず、みんなをなんとか説得して家に帰ろうとします。そのシーンがこちら。
ウッディ:Look, everyone, it’s nice here, I admit. But we need to go home.
ねえ、みんな、ここがいいところなのは認めるけど、家に帰らないと。
to admitは「認める」という動詞です。この場合、「ここが素敵なのは認めるけど、」という意味になります。
ジェシー:We can have a whole new life here, Woody. A chance to make kids happy again.
ウッディ、ここなら全く新しい生活ができるわよ。また子供たちを幸せにできるチャンスよ。
a whole new lifeで「全く新しい人生(生活)」という意味になります。a chance to+動詞で「~するチャンス」といった表現になります。
スリンキー・ドッグ:Why don’t you stay?
君も残ったらいいのに。
Why don’t you~で「なぜあなたは~しないの」、「あなたは~すればいいのに」といった誘いの言葉になります。
レックス: Yeah, Woody. Stay with us.
そうだよ、ウッディ、僕らと残りなよ。
to stay with someoneで「誰々と残る」、「誰々と一緒にいる」といった意味になります。
ウッディ: I can’t. No.
無理だよ、ダメだって。
ジェシー:You can make a new kid happy.
新しい子供を幸せにすればいいじゃない。
ウッディ: No, no. Guys, really. No! I have a kid. You have a kid. Andy! And if he wants us at college,
or in the attic, well, then, our job is to be there for him. Now, I ‘m going home. Anyone who wants to join me is welcome. Come on, Buzz.
ダメ、ダメだってみんな、本当に。ダメなんだって。僕には子供がいるんだ。みんなにだっている、アンディだよ。もし彼が大学、あるいは屋根裏に僕らを必要とするなら、僕らの使命は彼のためにそこにいてあげることだよ。もう僕は帰るよ。誰か一緒に行きたければ歓迎するけどね。バズ、行くぞ。
You have a kidの「you」はこの場合、「あなたたち(みんな)」を指しており、複数形で使われています。atticは「屋根裏」という名詞で、頻繁にこの映画の中で使われます。屋根裏部屋は「attic room」といったりもします。
ウッディ: Buzz?
バズ?
バズ・ライトイヤー:Our mission with Andy is complete, Woody.
アンディとの僕らの使命は終わったんだよ、ウッディ。
「mission 任務」と 「complete 完了」はたびたびセットで使われる単語です。
ウッディ:What?
なんだって
バズ・ライトイヤー:And what’s important now is we stay together.
今大切なのはみんなが一緒にいることだよ。
what’s+形容詞+is~で「~なのは、~だ」といった表現になります。例えば「面白いのは彼がたくさん食べることなんだ」と言いたい場合には「what’s funny is he eats a lot」などと言えます。
ウッディ: We wouldn’t even be together if it weren’t for Andy! Look under your boot, Buzz. You, too, Jessie. Whose name is written there?
アンディのためじゃなかったら、みんな一緒になんていてないよ。バズ、お前のブーツの裏を見てごらんよ、ジェシー、君もだよ。そこに誰の名前が書いてあるんだい。
We wouldn’t even be together if it weren’t for Andy!は「if 主語+過去分詞~主語+would~」を使った「アンディがいなければ、みんなはそもそも一緒になんてなっていない」といった非現実的な状況を表現する条件法の文章です。
レックス:Maybe Andy doesn’t care about us anymore.
多分アンディはもう僕らのことなんて気にしてないんだよ。
to care about someoneで「誰々のことを気にする」、「誰々のことを構う」といった表現です。
ウッディ: Of course he does.He cares about all of you! He was putting you in the attic. I saw. You can’t just turn your back on him now!
気にしてるにきまってるだよ。君たちみんなのことをね。彼はみんなを屋根裏に置こうとしてたんだから。僕らは見たんだ。今になって彼に背中を向けたりしたらだめだよ。
to turn one’s back on someoneで「誰々に背中を向ける」、「誰々を裏切る」といった意味になります。
ジェシー:Woody, wake up! It’s over! Andy is all grown up!
ウッディ、目を覚ましてよ。もう終わりなの。アンディはすっかり大きくなったのよ。
It’s overで「それは終わった」という意味になります。
ウッディ:Okay, fine. Perfect. I can’t believe how selfish you all are. So this is it? After all we’ve been through.
じゃあいいよ。分かったよ、そんなに自分勝手なみんなが信じられないよ。じゃあこれでお別れなんだね? 散々色々なことをみんなで乗り越えてきたのに。
selfishは「自分勝手」、「わがまま」などの意味になります。to have been throughで「~を経験する」、「~の目に遭う」といった言い回しです。
ウッディはそのまま一人で託児所を出ていきます。みんながそれぞれの意見と希望を持ち、自分の進むべき道を選んだ結果の別れだけに誰のことも責められない絶妙なやり取りでした。