「ポカホンタス」はインディアンの娘ポカホンタスとアメリカ大陸に上陸したイギリス隊員のジョン・スミスによる恋物語です。文化も人種も違う二人が民族間の争いの板挟みになり、それを乗り越えていくストーリーの中には登場人物が様々な名セリフを残しています。
ポカホンタスの名場面
ポカホンタスはある日、自分の見た不思議な夢のことが胸にひっかかり、そのことを聞くために柳の木のおばあさんを訪ねます。自分の歩む道について思い悩んでいるポカホンタスに対し、柳の木のおばあさんは適格なアドバイスを送ります。そのシーンがこちら。
ポカホンタス:Grandmother Willow, I need to talk to you.
ウィローお婆さん、話がしたいんだけど。
to need to +動詞で「~する必要がある」といった意味になります。
柳の木のおばあさん:Good morning, child. I was hoping you’d visit today. Why, your mother’s necklace!
おはよう、お嬢ちゃん。ちょうどお前さんが今日来きくれないかなって思ってたんだよ。あら、お母さんのネックレスなんてして。
I was hoping you would +動詞で「あなたが~してくれないだろうかと期待していた」といった表現になります。
ポカホンタス:That’s what I wanted to talk to you about. My father wants me to marry Kocoum.
そのことが話したかったの。お父さんがココアムと私を結婚させたがってるの。
to want someone to +動詞で「誰々に~してもらいたい」という意味になります。
柳の木のおばあさん: Kocoum? But he’s so serious!
ココアムだって? 彼は真面目すぎるわ。
ポカホンタス:I know. My father thinks it’s the right path for me. But lately, I’ve been having this dream, and I think it’s…
そうなの。お父さんはそれが私の道だって思ってるの。だけど最近、私こんな夢をよく見るんだけど、それって、、、、
lateyは「最近」といった意味で、多くの場合現在完了進行形の文章で使われます。この場合、「最近何度もこの夢を見る」といった意味合いが込まれています。
柳の木のおばあさん:Oh, a dream! Let’s hear all about it! Quiet!
夢ねえ。じゃあじっくり聞こうじゃないか。(騒ぐ鳥や自然に向って)静かに。
柳の木のおばあさん:Now, child, you were saying?
ええと、お嬢ちゃん。なんて言ってたんだっけ?
ポカホンタス:Well, I’m running through the woods,and then right there in front of me is an arrow.As I look at it, it starts to spin.
森の中を走ってるの。そしたら目の前に一本の矢があるんだけど、私が見るとその矢が回転しだすの。
柳の木のおばあさん:A spinning arrow? How unusual!
回転する矢だって? なんて珍しいことだろう。
unusualは「普通ではない」、「異常な」、「珍しい」などの意味を持ちます。
ポカホンタス:Yes, it spins faster and faster and faster… until, suddenly, it stops.
そうなの。その矢はどんどん早く回転していって突然止まるの。
faster and fasterのように、形容詞の比較級を続けて使うと、「どんどん~になる」、「ますます~になる」、「もっともっと~になる」といった表現になります。
柳の木のおばあさん:Well, it seems to me this spinning arrow is pointing you down your path.
そう、なんだか私にはその矢がお前さんの道を示しているように見えるけど。
ポカホンタス:But, Grandmother Willow, what is my path? How am I ever going to find it?
でもウィローお婆さん、私の(進むべき)道ってなんなの? どうやったらそれを見つけられるわけ?
How am I goingo to +動詞で「どうやったら私は~するの(できるの)?」という質問になります。
柳の木のおばあさん:Your mother asked me the very same question.
お前さんのお母さんも全く同じことを私に聞いたよ。
the sameに「very」をつけることで、「全く同じ」と強調されます。
ポカホンタス:She did? What did you tell her?
そうなの? お母さんにはなんて言ったの?
過去形の文章に対し、「she did?」と質問すると、「彼女はそうしたの?」といった意味になります。この場合、didは「ask」を置き換える形になっているのが特徴です。
柳の木のおばあさん:I told her to listen. All around us are spirits, child. They live in the earth, the water, the sky. If you listen, they will guide you.
彼女にはよく聞くように言ったのさ。魂はそこら中に散らばっているのよ、お嬢ちゃん。大地に、水に、空にもあるんだよ。耳をすませば、魂がお前さんを導いてくれるから。
インディアンらしい運命論や自然との共存を表現した面白いシーンでした。ポカホンタスのセリフは大変わかりやすいのが特徴ですね。