「ノートルダムの鐘」は、容姿こそ醜いが心優しい鐘衝き男・カジモドがノートルダム大聖堂を飛び出したことで、ジプシーの美女エスメラルダと知り合い、騒動に巻き込まれていく物語です。
ジプシーに対する差別的な表現や醜いカジモドに対する偏見などがあり、ディズニーにしてはとてもシリアスな内容なのが特徴で、覚えておきたい英語のフレーズもたくさん出てます。
ノートルダムの鐘の名場面
エスメラルダは祭りで、「パリで最も醜い男コンテスト」としてカジモドを舞台に上げてしまったのが原因でカジモドが民衆からひどい扱い受けたことを気にかけ、ノートルダム大聖堂の中にまでカジモドを追いかけてやってきます。
生まれてからほとんど外に出たことのないカジモドは女性とも話したことがなく、美人のエスメラルダに話しかけられてもどうしていいか分からない様子。そんな中での二人の会話のシーンがこれです。
エスメラルダ:Here you are. I was afraid I’d lost you.
ここにいた。 もう見失ったかと思ったわ。
to be afraid~は「~を恐れる」、「~が怖い」といった意味ですが、この場合は「あなたを見失ったかと心配(怖かった)だった」といった意味になります。
カジモド: Yes. Well, I, uh…I have chores to do. It was nice…seeing… you… again.
うん、ええと、僕はやらなきゃいけないことがあるから。君にまた会えてよかったよ、じゃあ。
to have choras to doで「やることがある」、「仕事がある」といった表現になります。
エスメラルダ:Oh! No, wait! I’m really sorry about this afternoon. I had no idea who you were. I would never in my life
have pulled you…up… on… the…stage. What is this place?
ちょっと、ちょっと待って。今日の午後のことは本当にごめんなさい。あなたが誰だか分からなかったの。じゃければあなたのことをステージに上げようなんて決してしなかったわ。ここはなんなの?
to be sorry about~で「~のことを申し訳なく思う」といった謝罪になります。
カジモド: This is where I live.
ここは僕が住んでるところだよ。
エスメラルダ:Did you make all these things yourself?
これ全部あなたが自分で作ったの?
カジモド: Most of them.
ほとんど全部。
エスメラルダ:This is beautiful. If I could do this, you wouldn’t find me dancing in the streets for coins.
綺麗だわ。もし私がこんなの作れたら、道で小銭のためにダンスなんてしてないわ。
If 主語+could ~ 主語+would~で「もし~できたら ~だろう」といった想像上や空想上の条件法になります。
カジモド:But you’re a wonderful dancer.
でも君はすばらしいダンサーだけど。
エスメラルダ:It keeps bread on the table,anyway. What’s this?
食べるためにやってるのよ。これはなに?
It keeps bread on the tableは直訳すると、「それ(ダンスする行為)がパンをテーブルにキープする」といった意味で、ダンスは食べるためにやっている、という意味になります。
カジモド:Oh! No, please! I’m not finished. I still have to paint them.
ちょっと、お願いだからやめて。まだ終わってないんだ。色を塗らないといけないから。
エスメラルダ:It’s the blacksmith and the baker! You’re a surprising person, Quasimodo. Not to mention lucky. All this room to yourself.
鍛冶屋にパン屋じゃない。カジモド、あなたって面白いのね。この部屋全部あなた一人で使えるなんてラッキーなのは言うまでもないし。
Not to mention~は「~は言うまでもなく」という意味です。
カジモド:Well, it’s not just me. There’s the gargoyles and, of course, the bells. Would you like to see them?
ええと、僕一人じゃないよ。石像(ガーゴイル)たちもいるし、もちろん鐘だってね。彼らに会いたい?
there is the gargoyles and ~と喋っていますが、文法上正しくは「there are~(~がいる(ある)」となります。会話では「there~」の表現は複数形でもこのように単数形にして言うことも多々あります。
エスメラルダ:Yes, of course. Wouldn’t we, Djali?
うん、もちろんよ。そうでしょ、ジャリ(ヤギの名前)?
カジモド:Follow me. I’ll introduce you.
僕についてきて、君に紹介するから。
to introduce someone で「誰々に紹介する」という表現になります。
エスメラルダ: I never knew there were so many.
こんなにあるなんて思わなかったわ。
カジモド:That’s Little Sophia. And Jeane-Marie, Anne-Marie, Louise-Marie. Triplets, you know.
これがソフィアで、ジーン・マリー、アン・マリー、ルイス・マリー、トゥリペッツだよ。
エスメラルダ:And who’s this?
これは?
カジモド:Big Marie.
ビッグ・マリー
エスメラルダ:Hello!
ハロー!
カジモド:She likes you.Would you like to see more?
彼女(鐘)は君のこと気に入ったみたいだよ。 もっと見たい?
鐘のことを「it」ではなく、「she」と言っているのがポイントです。 カジモドにとって鐘は友達であり、人格があるからです。
エスメラルダ: How about it, Djali? We’d love to.
どうする、ジャリ? ぜひ見てみたいわ。
カジモド: Good. I’ve saved the best for last.
オッケー。一番いいのを最後に取っておいたんだ。
お互い別世界に住む、好奇心旺盛なエスメラルダとシャイなカジモドが心を通わせたシーンでした。