「美女と野獣」はディズニー映画初めてアカデミー賞にノミネートされた作品で、世界中で大ヒットを飛ばした作品の一つです。
魔女の呪いによって野獣にされた王子様とお転婆の美女ベルによる心の交流を描いた物語で、卑屈になった野獣ビーストがベルの優しさに触れて徐々に人間らしさを取り戻していく過程が見どころです。
「美女と野獣」の名場面
野獣ビーストは美しいベルと城で生活を始めるも自分の思い通りにいかないことに苛立ちを示します。ビーストはベルが城のウェスト・ウィング(西棟)に入ってきたことに対して激怒。
すると、ベルは城を飛びしてしまいます。ところがビーストが山道でオオカミに襲われていたベルを命がけで救出したことで二人の距離は急接近。次のシーンは初めて二人が心通わせたシーンです。
ベル:Just hold still.
ちょっと、じっとしててよ。
to hold stillで「じっとする」、「動かないでいる」という意味になります。
ビースト: That hurts!
痛いんだよ。
to hurtはこの場合、「痛い」、「痛む」といった意味で使われています。
ベル: If you’d hold still, it wouldn’t hurt as much!
あなたがじっとしてたら、そんなに痛くならないわよ。
if 主語+would ~ 主語+wouldは「~するつもりがあるならば、~になる」、「~する意志があるなら~になる」という条件法の文章です。しかし会話では、「if 主語+動詞現在~ 主語+will~」、あるいは 「if 主語+動詞過去~ 主語+would~」の条件法のほうが一般的です。
ビースト:Well, if you hadn’t have run away, this wouldn’t have happened.
っていうか、お前が逃げてなかったら、こんなことは起きてなかったけどな。
【if 主語+have +過去分詞~ 主語 would +have +過去分詞】で「もし~していなかったら、~になっていた」という仮定法過去完了の文章になります。過去の事実に反する仮定・想像を表す意味になるのが特徴です。
ベル:If you hadn’t frightened me, I wouldn’t have run away.
あなたが私を怖がらせてなかったら、私は逃げてなかったわよ。
ビースト:Well, you shouldn’t have been in the West Wing!
お前がウェスト・ウィング(西棟)にいなければよかったんだよ。
west wingは大きな建物などの西棟を指す言葉で、城や空港などでもよく使われる単語です。
ベル:Well, you should learn to control your temper! Now, hold still. This might sting a little.
あなただって感情をコントロールすることを覚えたほうがいいわ。いいから、じっとしてて。ちょっと痛いかもしれないけど。
最初からここまでお互いに文章の中にshould、「~すべきだ」という言葉を使って口論をしているのがポイントです。いわば問題を相手のせいにして、お互いを非難しているのです。you should learn to control your temperは「あなたはかんしゃくをコントロールすることを覚えるべきだ」、「怒りをお抑えるべきだ」という意味です。
ベル:By the way, thank you for saving my life.
ところで、私の命を救ってくれてありがとう。
by the wayは話し始めるときに「ところで」、「それはさておき」などの意味で使われます。thank you for+動詞ingで「~してくれてありがとう」の表現になります。
ビースト:You’re welcome.
どういたしまして。
このシーンを境に二人の会話にも変化が現れ、やがて二人は恋に落ちるという流れになります。初めて二人が素直にお互いを受け入れた印象的なシーンでした。