「LIFE!」は雑誌「LIFE」の写真管理部で働くウォルター・ミティ(ベン・スティラー)が、雑誌の表紙に使用するためのネガがないことに気づき、カメラマンを探すために世界中を駆け巡るコメディードラマです。
「LIFE!」の名場面
ストーリーの鍵はカメラマンのショーン・オコンネル(ショーン・ペン)が撮影した写真とは一体どんなものだったのか、という点に尽きます。
その謎を突き止めるためにウォルター・ミティが世界の秘境を訪ねて、やがて山奥でショーン・オコンネルと遭遇します。次のシーンは、長年電話やメールでしか連絡を取り合ったことのない二人の初めての出会いのシーンです。
ウォルター・ミティ:Sean.
ショーン
ショーン・オコンネル:Yeah.
なんだい。
ウォルター・ミティ:It’s Walter. Mitty.
ウォルターですよ。ミティです。
ショーン・オコンネル:Walter Mitty. Seriously? How the hell did you get up here?
ウォルター・ミティ、本当に? 一体どうやってこんなとこまで登って来たんだ。
How the hell~?で「一体どうやって~」といった驚きや怒りを含んだ疑問文になります。
ウォルター・ミティ: I just… I’ve been looking for you.
っていうか、私はずっとあなたを探してたんですよ。
have been+動詞ingで一定の期間「ずっと~してきている」という現在完了進行形の文になります。
ショーン・オコンネル:Sit down.
座りなよ。
ウォルター・ミティ:I’ll sit.
座ります。
ショーン・オコンネル:Well, take your time. Settle in. Try to be real still, okay? There’s a snow leopard. Right in this ridge. So we have to try to be very, very, very, very still.
まあゆっくりして。落ち着いてよ。じっとしてて、いいかい? ユキヒョウがいるんだ、あの山の背に。だからとにかく、とにかく、とにかく、とにかく静かにしないといけないぞ。
to be stillには「じっとする」、「静かにする」といった意味があります。
ショーン・オコンネル:They call the snow leopard the “ghost cat.” it never lets itself be seen.
ユキヒョウは「ゴーストキャット」って呼ばれているんだ。決して見られないように行動するからさ。
ウォルター・ミティ:Ghost cat?
ゴーストキャット?
ショーン・オコンネル:Beautiful things don’t ask for attention.
美しいものは注目を嫌うんだよ。
to askはこの場合、「質問する」という意味ではなく、「求める」、「望む」といった意味で使われています。つまり「注目を求めない」という意味になります。
ウォルター・ミティ:Sean, there was a negative that got separated from your roll. I’m taking a lot of heat over it at work.It never came with the roll that you sent.
ショーン、あなたのフィルムから取り除かれていた一枚のネガがありましたよね。そのせいで職場でものすごく怒られてるんですよ。あなたが送ったフィルムにはなかったから。
ショーン・オコンネル:The last roll you’re talking about?
最後に送ったフィルムのことかい ?
ウォルター・ミティ:Yeah.
そうです。
ショーン・オコンネル:25?
ネガ25番?
ウォルター・ミティ:Yeah.
そう。
ショーン・オコンネル:You’re sitting on it.
君がその上に座ってるよ。
ウォルター・ミティ:Why am I sitting on it?
なんで私がその上に座ってるんですか。
ショーン・オコンネル:It’s in your wallet. That was the gift. The photograph. The wallet was just something I could put it in. So, I put it in a little slot, the little picture holder in there.I thought it would be cute. I told you, “look inside.” In the note.
君の財布の中だよ。プレゼントだったんだ、写真が。ちょうど財布の中に入れられたから、小さい穴にあの小さな写真フォルダーがあるから。かわいいと思ってね。だから手紙で言っただろ、中を見ろって、
ウォルター・ミティ:You said “look inside.” I thought you meant look inside of the wrapping paper.
中を見ろって言うから、包装紙の中のことだと思いましたよ。
I thought you meant~で「あなたは~って言いたいのかと思った」、「あなたは~のつもりだったのかと思った」といった表現になります。
ショーン・オコンネル:Yeah? Well, you got a real nice surprise coming.
そうかい? じゃあ、まだ(見てないなら)サプライズになるね。
ウォルター・ミティ:No, I don’t have it. I don’t have it anymore.
いいや。もうないですよ。もう財布は持ってないんです。
否定文にanymoreをつけることで、「これ以上は~ない」、「今はもう~ない」と強調することができます。
ショーン・オコンネル:Whoa!
あーあ。
ウォルター・ミティ:What the hell were you thinking? I mean, I’m sorry, I’ve admired you for a very long time…but that is not a good move, at all, with a valuable negative.
一体あなたは何を考えてたんですか。っていうか、こんなこというのすみませんが、私は長年あなたのことを敬愛してきましたが、 大切なネガをそんなふうに扱うなんて全くまともじゃないですよ。
What the hell~で「一体何を~なんだよ」といった驚きや怒りを込めた疑問文になります。
ショーン・オコンネル:Sorry, I just… I thought it would be a playful kind of thing.
悪かったよ。ただ、遊び心があるかなって思って。
ウォルター・ミティ:Playful? Too playful.
遊び心? ありすぎですよ。
ショーン・オコンネル:I see what you’re saying. With the cover, I should have been more straightforward. But can I ask you, I mean, if you don’t mind…what did you do with the wallet?
君の言うことはわかるよ。表紙の写真はもっと 単刀直入にすべきだったね。だけど、もし嫌じゃなかったら聞いていいかな。あの財布はどうしたんだい?
straightforwardは「直接に」、「簡単に」、「率直に」などの意味があります。
if you don’t mind~から入る疑問文は、「もしあなたが構わなければ」、「もし迷惑じゃなかったら」といった丁寧な言い方です。
ウォルター・ミティ:Chucked it.
捨てましたよ。
ショーン・オコンネル:Well, that hurts my feelings.
それは悲しいな。
ウォルター・ミティ:No. Man, I liked it very much….
違うんですって。とても気に入ったんだけど、、、
ショーン・オコンネル:So you threw it away? So, you have no idea what it was? The photograph? It’s a shame.It was a beauty.
で、捨てたわけね。じゃあなんだったか知らないんだ、写真が。残念だね。綺麗に撮れたのに。
to throw awayは「捨てる」という表現です。shameは「残念」と訳しましたが、本来は「恥」という意味になります。
とても簡単な会話の中に二人の微妙な関係性が浮かんでるのがわかると思います。結局、ショーン・オコンネルに会えたにも関わらず、写真の内容はわからず謎の真相はラストまで持ち越され、というのはある意味お約束の展開でしたね。