L.A. ギャング ストーリーの名セリフはなんといってもライアン・ゴズリング演じるジェリー・ウーターズとギャングのボスの女グレース・ファラデイが知り合ってから、すぐに恋仲になり、ベッドの中でするピロートークにあります。ではさっそく見ていきましょう。
L.A. ギャング ストーリーの名場面
グレース: Where have you been in all my miserable life? Jerry the bible sales man?
私が惨めな人生を送っている間、あなたは一体どこにいたの、聖書セールスマンのジェリーさん?
ジェリー: Drinking.
飲んだくれてたよ。
グレース: That’s a noble profession.
(飲んだくれなんて)素敵な職業だこと。
素敵な相手と知り合ったときに「Where have you been in all this time? 今までどこにいたの?」 などとロマンチックに言ったりしますが、ここでは「all my miserable life」と私の惨めな人生の間中ずっと、という強調が加わって、「あなたなしで今まで生きてきたことは大変だったんだから」という言葉が隠されているようでもありますね。質問の語尾に「Jerry the bible sales man?」 と付け足しているのは、バーで知り合って自己紹介したジェリーが「自分は聖書のセールスマンさ」と言った冗談に対してのセリフです。
今までどこにいたの?と聞かれて、「飲んだくれた」と答えるジェリー。それに対して、グレースが「素敵な職業だこと」と返すこのやり取りは、いかにも恋愛慣れした男女のやり取りですね。お互いロマンチックを装いつつも手の打ちを見せないイヤらしい部分もあっていいです。 二人の会話は続きます。
グレース: He’ll kill you if he finds out. You know.
もしこのことを知ったら、彼はあなたを殺すわよ、分かってるわよね。
ジェリー:Who?
誰だって?
グレース:Mickey.
ミッキーよ。
ジェリー:Mickey Mouse?
ミッキーマウスだって?
ジェリー:What are you doing with that knucklehead, anyway? Doesn’t really seem like your type.
どうでもいいけど、あんな馬鹿な男となにしてるんだ? 君のタイプには思えないけど。
グレース:I’m his type. That’s what matters.
私が彼のタイプなの。そっちのほうが大事なのよ。
matterには様々な使い方がありますが、この場合は動詞として「重要である」、「大切である」という意味で使っています。最もよく使われる手法は、「What is the matter? なにがあったんだい?」という使い方ですので、ぜひ覚えておきましょう。
ロマンチックなムードから一転、急にグレースは恐ろしい話をします。しかしグレースはギャングのボスの女であることを知りながら手を出しているので、冷静にふるまいます。そしてこのやり取りから始まったばかりの二人の関係がいずれに破滅に向かうことを予期します。ちょっぴり甘くそして儚いシーンでした。