「メリダとおそろしの森」は千年前のスコットランドを舞台にした童話で、ディズニーアニメの中でも数少ないスコットランド訛りの英語が話されている映画です。
そのため普段ハリウッド映画のアメリカ英語に慣れているという人はリスニングが少々難しい作品でもあります。しかし英語にもそれぞれの国の訛りや喋り方があるので、知っておくとさらに知識が深まるはずです。ぜひステップアップのためにもこの映画でリスニング力を伸ばしましょう。
メリダとおそろしの森の名場面
ダンブロッホ王国の王女メリダは母親のエリノア王妃に命令で夫を三人の領主の息子から夫を探すことになります。
しかしメリダは結婚など考えておらず、領主の息子たちにも無関心。結婚相手を決める競技会でも自分で弓矢の競技に参加して優勝してしまい台無しにしてしまいます。それに腹を立てたエリノア王妃は娘に激怒します。そのシーンがこちら。
エリノア王妃:Michty me! I’ve just about had enough of you, lass!
いい加減にしなさい。もう我慢できないからね。
Michty meは「For god’s sake」や「Oh my god」のような驚きや動揺を表現する言葉です。lassは「girl」、「daughterなどと置き換えることができる女性を呼ぶときに使う呼び名です。
メリダ: You’re the one that wants me to…
お母さんが(無理やり結婚)させようとしたからでしょ。
You’re the one that wants me toで「私に~して欲しがっているのはあなたのほうです」という意味になります。toの後には動詞が決まるが、この文章は動詞を言い終わるまでに終わっています。
エリノア王妃:You embarrassed them.You embarrassed me.
あなたは彼らに恥をかかせたのよ。私にも恥をかかせたの。
to embarrass someoneで「誰々に恥をかかせる」という表現になります。自分自身が「恥ずかしい気持ちになる」というには「to be embarrassed」 となります。
メリダ: I followed the rules.
私はルールを守ったわ。
エリノア王妃:You don’t know what you’ve done! It’ll be fire and sword if it’s not set right. Just listen! I am the Queen! You listen to me!
自分が何をしたか分かってないんだね。ちゃんとやらないと大変なことになるんだよ。いいからちゃんと聞きなさい。私が女王なのよ。あなたは私の言う事を聞くの。
fire and swordは直訳すると、「火と剣」となりますが、 ここでは「ちゃんとやらないと兵火と殺戮といった争いに発展する」という例えで使っています。
メリダ:This is so unfair!
そんなの不公平よ。
エリノア王妃:Unfair?
不公平だって?
メリダ:You’re never there for me. This whole marriage is what you want. Do you ever bother to ask what I want? No. You walk around telling me what to do, what not to do, trying to make me be like you. Well, I’m not going to be like you.
お母さんは決して私の味方になってくれないじゃない。この結婚だってお母さんが望んでることでしょ。私がどうしたいか聞いたことある? いつもなにをしろとか、なにをするなとか命令して、お母さんのような人間になるように仕向けてる。でも私はお母さんのようにはならないわ。
「You’re never there for me」は「You’re always there for me」(あなたはいつも私のためにそこにいてくれる(私の味方である))の対義語で、「決して私の味方をしてくれない」という意味になります。
エリノア王妃:You’re acting like a child.
まるで子供みたいね。
to act like a childで「子供のように振舞う」という意味になります。
メリダ:And you’re a beast. That’s what you are!
そっちは野獣みたいじゃない。それがあなたという人間よ。
エリノア王妃: Merida.
メリダ。
メリダ:I’ll never be like you.
絶対、あなたのようにはならないわ。
(絨毯を切ろうとするメリダに向かって)エリノア王妃:No, stop that!
ちょっと、やめなさい。
メリダ:I’d rather die than be like you!
お母さんのようになるなら死んだほうがましよ。
I’d rather 動詞 than 動詞で「~するくらいなら~したほうがまし」という比較になります。
エリノア王妃:Merida, you are a princess, I expect you to act like one.
メリダ、あなたはお姫様なのよ。お姫様ならお姫様らしくしなさい。
メリダ:Mum!
お母さん、そんな。
メリダとエリノア王妃の深い溝が伝わるシーンでした。