「Mr.インクレディブル」はかつてスーパーヒーローだった男Mr.インクレディブルこと、ロバート・パーが一般人にまぎれて普通の生活を送ることに嫌気が差し、再び自分の超能力を活用したいと願い、復活するまでの軌跡を描いたヒーローアクションです。
なにより超能力一家であるパー家の家族たちの超能力や普段の生活がユニークそのもので、会話も十分に楽しめる内容となっています。
Mr.インクレディブルの名場面
今回ピックアップしたのはMr.インクレディブルことロバート・パーが妻のイラスティガールことヘレン・パーに内緒で人助けをして夜遅く帰ってきたときのシーンです。二人の会話はスーパーヒーローというより一般人の夫婦の会話そのもので、実際の会話でも使える表現ばかりです。
妻ヘレン・パー:I thought you’d be back by 11:00.
11時までには帰ってくると思ってたのに。
by +「時刻」にすることで「~時までには」といった意味になります。
夫ロバート・パー:I said I’d be back later.
遅くなるって言っただろ。
妻ヘレン・パー:I assumed you’d be back later. :If you came back at all,you’d be “back later”.
遅くなるとは予想してたわよ。もし帰ってくるなら遅くなるってね。
夫ロバート・パー:Well, I’m back, okay?
分かったよ、もう帰ったんだから、いいだろ?
妻ヘレン・パー:Is this rubble?
これって煉瓦の破片なの?
rubbleは煉瓦や瓦礫の「欠片」、「破片」を意味する名詞です。
夫ロバート・パー:It was just a little workout. Just to stay loose.
ちょっとしたエクササイズだよ。リラックスするためにね。
workoutは「エクササイズをする」といった動詞としても、「エクササイズ」といった名詞としても使われます。to stay looseは「くつろぐ」、「リラックスする」、「気を楽にする」といった言い回しです。
妻ヘレン・パー:You know how I feel about that don’t you? We can’t blow cover again.
私が反対してるの分かってるでしょ。また、正体がばれたらどうするの。
to blow はこの場合「失敗する」、「棒に振る」といった意味で使われています。coverはスパイなどに使われる「カバー(仮の姿)」の意味で使われています。
夫ロバート・パー:The building was coming down anyway.
どっちにしてもビルは倒れてたよ。
anywayはこの場合「いずれにしろ」といった意味になります。
妻ヘレン・パー:What? You knocked down a building?
なんですって? ビルを倒したの?
夫ロバート・パー:It was on fire. Structurally unsound.It was coming down.
火事だったんだし、構造上不安定だったから、どうせ倒れてたんだよ。
unsoundは「不健全」、「不安定」、「しっかりしていない」などの意味があります。
妻ヘレン・パー:Have you been listening to the police scanner again?
また警察の無線を聞いていたの?
夫ロバート・パー:I performed a public service.You act like that’s a bad thing.
社会奉仕したんだろ。君はまるで悪いことみたいに言うね。
public serviceは「社会奉仕」のほかにも「公共事業」などの意味もあります。
妻ヘレン・パー:It is a bad thing, Bob! Uprooting our family again, so you can relive the glory days is a bad thing.
悪いことよ、ボブ。過去の栄光に浸るためにまた家族を追い立てるなんて、悪いことよ。
to uprootで、根絶にする」、「根こそぎにする」、「追い立てる」などの意味がなります。
夫ロバート・パー:It’s better than acting like they didn’t happen!
何ごともなかったかのように過ごしてるよりましだろ。
It’s better than ~で「~よりましだ」といった表現になります。
妻ヘレン・パー:Yes! They happened! But this, our family, is what’s happening now, Bob. And you are missing this! I can’t believe you don’t want to go to your own son’s graduation.
あったわよ。でもこれが、家族が、今大事なことなの。ボブ、あなたはそれに気づいてないの。自分の息子の卒業式に行きたくないなんて信じられないわ。
夫ロバート・パー:It’s not a graduation.He’s moving from fourth to fifth grade.
卒業式じゃないだろ。ただ4年生から5年生に上がるだけだろ
妻ヘレン・パー:It’s a ceremony!
でもセレモニーじゃない。
夫ロバート・パー: It’s psychotic! They keep creating new ways to celebrate mediocrity but if someone is genuinely exceptional…
精神的なものさ。そうやってなんでもないことを祝福するために彼らが発案しているだけだよ。でももし本当に特別な才能を持っているんだったら、、、
psychoticは「精神的な」、「精神病的な」といった意味合いがあります。
妻ヘレン・パー:This is not about you, Bob. It’s about Dash.
これはあなたの問題じゃないの、ボブ。ダッシュの問題でしょ。
It’s about~で、「~についてのこと」、「~についての問題だ」といった表現になります。
夫ロバート・パー:You want to do something for Dash? Let him actually compete. Let him go out for sports!
ダッシュのためになにかしたいのか? だったら彼に競争させなよ。スポーツをやらせたらいいじゃないか。
妻ヘレン・パー:I will not be made the enemy here! You know why we can’t do that.‘
私を悪者にしないでよ。なんでできないかあなただって分かってるでしょ。
夫ロバート・パー: Because he’d be great.
彼がすごい選手になるからだろ。
妻ヘレン・パー:This is not about you!
あなたの問題じゃないんだってば。
夫ロバート・パー:All right, Dash.I know you’re listening. Come on out.
(子供の存在に気づいて)ダッシュ、聞いてるんでしょ。出てきなさい。
妻ヘレン・パー:Vi? You, too, young lady.
ヴィ、あなたもよ。ほら、出てきなさい。
夫ロバート・パー:Come on. Come on out.It’s okay, kids. We’re just having a discussion.
ほら、大丈夫だから、お父さんとお母さんはただディスカッションしてるだけだから。
to have a discussionで「討論する」という意味になります。
どこにでもいそうな夫婦の会話、そして子供たちに夫婦の喧嘩を聞かれて気まずくなりながらも、その場を取り繕うとする優しさが溢れるシーンでした。